入社してまもなくの頃、大学の同期から言われた言葉です。
「お前は仕事のために週末ゆっくり休むのか、それとも休日にやりたいことをやるために働いているのか、どっちだ」
と。
大学の同期と言いつつ、大学院に逝ってた俺は学部卒で就職したそいつより社会人としては2年後輩になる立場で、その2年間の経験を踏まえてそいつは言ってくれました。
何か月かぶりに会って飲んだ時、早くも会社への不満やら愚痴やらを言いまくってた俺に突きつけられた非常にシンプルな疑問でした。
言うまでもなく、その質問の意図は「仕事と休日どちらを優先しているのか」ということですね。
平日にしっかり仕事をするために、休日にはあんまりはしゃいだりすることなくゆっくりしているのか。それとも休みの日にやりたいことに精を出すことを楽しみにして仕事をしているのか。どっちだと。
何も答えられなかった俺。
なぜなら、その時の俺は間違いなく前者だったからです。
すなわち、仕事のために休んでいるという状態だったのです。
社内で机上の作業もあったとはいえ、ほとんどは現場で肉体的な負担の多い仕事。中学でも高校でも大学でも帰宅部のエースだった俺には、毎日が体力の限界でした。
そのために、週末の休みは翌週の仕事に向けて体力の回復に努めていたのですが、同期から聞かれた質問は見事にそれを看破したものだったのです。
同時に、明らかに後者のほうが理想であることにも気づかされ、まさに返す言葉がないという状態でした。
それは社畜化の第一歩。
今となっては、そんな働き方の何が怖いのか、はっきりわかります。
社畜化のステップなんですよね。
翌週の仕事のために休日にはゆっくりしている、というのは、どこからどう見ても休みの日なのに仕事のことが頭から離れていません。ゆっくりしているつもりでも、間違いなく脳内では月曜日からの仕事の段取りがぐるぐると駆け巡っていることでしょう。
そんなことで本当に体も心も休めているわけがなく。だから休みの日があっても疲れは取れずに翌週まで引きずって、きつい体調のまま出社することになります。何とかやり過ごしてまた休日を迎えても、やっぱり翌週の仕事を気にしていてはリラックスすることも心を落ち着けることもできるはずはなく、結局また疲れた状態で仕事に臨む…という悪循環。
こうして、披露がどんどん蓄積していけば常識的な判断力は鈍り、ただ会社のためになる思考力ばかりが活発になるという社畜まっしぐらの一本道。
恐ろしいことです。
それに気づかせてくれたこの質問。非常にありがたい言葉をその同期からもらったと今でも思っています。
それでは皆さんはどうでしょうか。
仕事のために休んでいますか?
休みのために働いていますか?
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