会社辞めたいと思いながら説明会や面接をしていた葛藤を聞いてくれ

リアル仕事

圧迫面接

新卒一括採用というシステムには、もちろん長所もあるんでしょうけど不合理なところもたくさんあるんだろうなと思っております。

今回の話は、その中でも「会社辞めてえって思ってる人事が新卒採用担当をやってること」の不合理です。

ぶっちゃけかつての俺のことなんですけどね。

入社3ヶ月後に新卒採用担当に任命された

プロフィールに書いたとおり、俺は新卒で総合職・幹部候補生として今の会社に入社しました。

順当に会社からの評価を高めていけば、役職や階級が上がっていき、同時に給与も増えていって、いわゆる出世をしていたのでしょう。

結局そのレールからは一旦外れることになり、今は総合職ではなく一般職という形で勤務していますが、候補生時代の俺の担当業務の1つとして、「新卒採用」がありました。

俺自身も新卒で入社していますが、今度は自分がそういう新卒で就職活動を行う学生を相手に説明会や面接をやれという業務です。

一番初めにこの先その担当となるだろうことを告げられたのは7月のことでした。つまり、4月1日に新卒で入社してわずか3か月余り経った頃です。

普通に考えたらありえません。思ってもいなかった話にかなり面食らったことを覚えています。

それからすぐに、先輩に連れられて合同説明会に行くこととなります。

その先輩もまた、総合職として入社して、俺と同じく入社1年目から採用活動に携わることになった人。俺が採用担当となることになった時は、入社3年目でした。入社年代としては俺の2つ上ということになります。

その先輩と一緒に、リクナビの主催する合同説明会に行ったり、駅前のビルの一室を借りて単独の説明会をやったり。

俺も多少の就活経験はありましたから、今度は自分が採用する立場になるということに興味と意欲が湧いたことは確かでした。

何より、一緒に採用活動に当たる先輩が非常に頼りになる人で、趣味も合う人だったことからますますやる気を持って取り組んでいました。

しかし、そうして説明会を行い、面接を行っている内にある気持ちが大きく膨らんでくるようになります。

こんな会社をアピールして学生たちに来てもらって、面接までやっているってどうなんだという感情です。

採用活動に集中して取り組み、さらに、今まで引っ張ってくれていた先輩が新たな仕事を任されるようになると今まで先輩がやっていた主な部分を俺が担うようになっていきました。

それは同時に、会社の上層部と関わりを持つ機会が自然に増えるということでもありました。

選考合格とするか、内定を出すか出さないかは最終的には上司や社長の判断であり、新人同然の自分にそんな権限がないのは当然のことです。なので俺がやることは、面接の日程を調整してはお伺いを立て、選考の内容を相談しては面接シートに起こすこと。その上で、実際に上司とともに面接の場に自分も同席するのです。

面接官の1人として。

面接が終わればどうだったああだったと、内容を振り返って評価を相談します。

そうして上司と関わる機会が増えていったことは、会社に対する不信と不満を俺に抱かせるきっかけとなっていきました。

関わりを持つ機会が増えれば当然、話をすることも増えます。話をする機会が増えれば、自分と異なる考え方の部分が見えてきますし、急に雑用のようなことを頼まれることも増えます。

そうしていく中で、自分としては明らかにおかしいと感じるような事柄も度々あり何とか丁寧にその是正や解決を提案しようとしてみても、キャリアの差を理由に聞いてもらえなかったり。

そんなこんなで…

どうにもならない1つの葛藤を抱えながら説明会や面接をやっていくようになりました。

 

嘘は言いたくない。でも言わないことと嘘を言うのとは、どう違うのか。

残業なんかなくて、上司もいい人で、仕事は全然きつくないですよ。そんなことは完全な嘘で、真剣に就活に取り組んでいるだろう学生たちにはとても言えない。

しかし、会社にいいところが全くないわけじゃない。だから説明会ではそれを話す。そうすると、言えないことが増えていく。

説明用の資料作りをする時でも、職場の人間関係について質問された時でも、悪いところに触れないようにしようとするから、一種のごまかしのようになる。

嘘は言いたくないけれど、全く言わないのは結局同じことじゃないか。むしろ、ごまかそうとしている分、嘘を言うよりもタチが悪いんじゃないか

いつからか、そんな葛藤を抱えながら人事担当として採用活動にあたっていたのです。

 

そして強くなる辞めたい気持ち

そんな葛藤とはまた別のところで、学生には言えない悪いところを日増しに強く感じるようになって辞めたい気持ちがどんどん膨らんでいきます。

すると、当然新卒採用なんて業務もやる気を無くしてしまうわけです。

辞めたくなったから仕事全般への意欲を失った、ではなく、辞めたいと思っている会社に学生を入社させようとしていることの矛盾を、自分ではどうしようもできなかったからです。

そんな葛藤がピークに達して一番つらくなっていた頃、幹部候補生としての俺の評価判定が行われました。

これは、採用の仕事に身が入ってないとかそんなことを受けてのものではなく、もともと決まっていた判定の時期が訪れたというだけでしたが…

判定結果はNG

つまり、総合職の幹部候補生としては現状不適格として、一般職に移ることになったわけです。そのことは、新卒採用担当という仕事から外れることも同時に意味しました。

そしてそれは、俺にとって救いにもなりました。

辞めたいとか思っていたわけですから判定云々は正直どうでもいいことでした。ただ、NGとの結果によって採用担当から外れたことはあの葛藤から解放されることを意味したわけで、それは俺にとって非常にありがたいことだったのです。

 

今の採用担当はそこまで悩んでないっぽい。

NG判定とともに俺が担当から外れた今は、その判定に合格した俺の後輩が新卒採用の仕事をしています。

自分の考えていたことを話して、同様の葛藤はないかと聞いてみたことがありますが、もちろん会社への不満はたくさんありつつも、それはそれとして割り切っているのか彼はそこまで強くは悩んでいないようでした。

あるいは俺が考えすぎていただけだったのでしょうか。

 

会社辞めたいと思いながら面接してる人事は学生を馬鹿にしている。

悩んでいた頃、俺が一番強く思っていたのがこのことでした。

どの程度の志望度合いにしろ、「入社したいです!」と言ってくる真剣な学生を会社辞めてえーなんて思ってる奴が面接しているんですよ。書類審査なんかしてるんですよ。

こういうタイプはすぐサボったりするから~とかレッテル貼りをしてるわけですよ。

一生を左右するかもしれないって真剣に就活に望んでる学生を馬鹿にしていますよ、これは。

だからこの記事は、ひょっとしたらそういう人事もいるかもしれないよっていう学生さんたちへの情報提供です。

それと提案です。

面接の最後にいつも聞かれる定番の質問がありますよね。

「それでは他に何かありますか?」って。

これにこう聞いてみたらどうでしょう。

「あなたはこれからもこの会社で働いていきたいと思っていますか?それは何故ですか?」

あるいはこう。

「面接官の方々は勤続何年目になるのですか?それだけの期間こちらの会社で働き続けることが出来たのは何故ですか?」

コメント

タイトルとURLをコピーしました