企業が不採用の理由を伝えない理由 人事をやっていた俺が考えた

公開日: : 最終更新日:2013/11/16 就職活動

理由を伝えるべきだ、というような内容の記事をいくつか見たので
今いる会社で紛いなりにも新卒採用担当をやっていた身として、考えてみたんですよ。

 

何人もの学生を書類で振り分けて、面接しては適性検査の結果とにらめっこしながら
あーだこーだと決めつけてみたり予想してみたりしてレッテルを貼って
「うちには合わないかもね」と、出来上がったイメージにしたがって判断を下して
お祈り通知の作成をしてました。

 

どこでもそうなのかは知りませんが、僕がやっていた採用活動はこんなんでした。

こんな過程を経ていく中に、一応不採用となる理由が形成される部分もあるにはありますが
非常に漠然としたものなので、とても選考を受けに来てくれた学生に順序立てて説明できたりはしません。

おそらく不採用の理由が伝えられない理由の大半がこの辺りに因るんだろうと思いますが
僕の思った理由がもう1つ。

 

人事もその会社に全然満足してないので、学生に入社を勧められないのです。

 

会社のことが好きで、職場と仕事に大いに満足して、やる気にあふれて業務にあたっているような人なら
面接した学生がどんな人で、どんな性質を持っていそうだから会社に合いそう/合わなさそう、なんてことを説明できます。

それだけ会社のことも仕事のことも理解把握しているし、人を見る目も養われているからです。

しかし現実にそうではないのは、要するに人事も会社を嫌だと思っているわけですよ。

辞めたいとすら思っている会社に、自分の手で採用内定者を決めていなきゃいけないなんて苦痛でしかありません。

 

「リクナビにはこんなこと書いているけど、ほんとはぜんぜん違うんだよ」

「HPにはこんな綺麗事が書いてあるけど、ほんとは真っ黒なんだよ」

「社員紹介にはこんな笑顔の写真があるけど、ほんとは毎日死にそうなんだよ」

 

こんなことを思いながら採用活動をやっていると、学生に対して湧いてくる感情は1つしかありません。

 

とにかく申し訳がないんですよ。

 

こんな立派な志望動機書いてもらうに値する会社じゃないよ?って

むしろ俺辞めたいって思ってるのに「入社後どんな仕事したいですか?」なんて聞きたくないよって

でも内定者決めないと俺の仕事終わんないんだよごめんって

そんなことばっかり思ってました。

 

 

僕自身も新卒で今の会社に入って、そんで採用担当という仕事をやることになったわけですが
割と早い間隔で就活する立場と採用する立場と両方を経験して、そんなことを思いました。

 

人事の奴だって会社に満足してるわけじゃない。

 

だから、不採用ってするのはある意味学生への贖罪でもあったんです。

こんな会社に入ってきてもらうなんてできないから、もっともらしい理由をつけて上に説明して
お茶を濁そうって考えちゃうんです。

ただ、そんなことを学生に言えるわけもないから、だから不採用の理由は伝えられない。

不採用の理由が伝えられないのはなぜだって疑問の答えには、こうしたことも関係しているんじゃないかと思うんです。

学生からしたら不採用になって辛いだけなのに、
何が贖罪だ馬鹿野郎って思うんでしょうけど。

 

でも自分がいいとも思ってない会社にわざわざ入ってきてもらって、そんで案の定辛そうにしてるのを見るのは
なかなかにきついものがあるんです。

極端な言い方をすれば、自分の仕事を終わらせるための生贄みたいで。

だからちょっと必要以上に気にして声を掛けてみたりするんです。

 

たったそれだけで何がどう報われるわけでもないんでしょうけど。

 

 

とにかく、そんなふうに思ってる人事担当もきっといると思うのです。

企業って大抵の場合一枚岩じゃないので、目の前の人事だって会社に対してどう思ってることやら。

それを踏まえた上で、企業ではなく人事個人を相手と思って就活してみると
意外と違うものが見えてくるかもしれませんよ。

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